原爆ドーム周辺における高さ制限が当面見送りへ

広島市は、原爆ドーム・平和記念公園周辺を対象に、景観法に基づく高さ制限を検討していたが、地元合意が図れないとして、実施が当面見送られることとなった(2010年12月16日付、中国新聞)。

この高さ制限は、景観法に基づく景観計画を活用したもので、「原爆ドーム及び平和記念公園周辺地区景観計画(素案)」として、2008(平成20)年7月に公表されていたものである。

高さ制限に反対する地権者や住民との合意が図れないまま、2年以上が経過していたが、市は、地元の理解が得られないとして、2010(平成22)年12月15日に開催された広島市議会建設委員会において、当面見送ることを表明した。

しかし、記事によると、市は、まず高さ制限を除いた景観計画を策定し、高さ制限については、地元の理解を得た段階で再度検討するという。

確かに、景観計画は高さ制限に特化したツールではなく、景観形成のビジョンとなる基本方針をはじめ、景観形成基準、公共施設、屋外広告物、景観資源(歴史的建造物・樹木等)といった様々な内容を盛り込むことが可能な制度である。

そういった意味で、今回の高さ制限見送りは、「高さ制限の前に、まずはビジョンの共有を図る」という選択と捉えることができるだろう。

なお、原爆ドーム周辺における高さ制限のこれまでの経緯については、下記を参照していただきたい。

「世界遺産・原爆ドーム周辺における景観保全のための高さ規制 

-美観形成要綱から景観計画へ」

https://aosawa.wordpress.com/2009/12/10/

参考記事

中国新聞2010年12月16日記事「ドーム周辺の高さ制限見送り」

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201012160023.html