御堂筋・高さ制限の見直しについて:グランドデザイン・大阪(素案)

2012(平成24)年1月に、橋下徹・大阪市長が御堂筋の高さ制限の撤廃に言及したが、その後、大阪府市統合本部での検討が進み、4月に「グランドデザイン・大阪(素案)」が示された。

 

素案によると、御堂筋周辺は「居・職・学エリア」に位置付けられ、将来構想として「御堂筋のみどり化とまちなみの再編」が示されている。

その将来構想の実現方策の一つとして、「セットバックを確保し高さを規制緩和」とある。

つまり、現在、指導要綱で規制している50mの軒高のラインは継承しつつ、高層部分をセットバックさせた上で、高さを緩和するとの考えを盛り込んだわけである。

現在、淀屋橋と本町三丁目の都市再生特別地区区域内では、それぞれ高さ70m、132mの高層ビルが建っているが、御堂筋沿道全域でこうした高層化を行うという意図なのであろう。

しかし、仮に御堂筋沿道での超高層化を認めたとしても、経済状況や敷地条件等から超高層化が進むのは数棟にとどまるのではないかとも推測される。

超高層ビルが点在し、結果的に分断されたスカイラインだけが残るという可能性があることも考慮する必要があるだろう。

また、御堂筋沿道は、一部を除くと奥行のある敷地が少ないため、高層棟部分を後退させたとしても、その距離には限界がある。

「グランドデザイン・大阪(素案)」には、「御堂筋沿道の大街区化」も位置づけられているが、仮に抜本的な敷地統合による街区再編を行った場合でも軒高50mラインの街並み景観に大きな影響が出ることは容易に想像がつく。

市長の高さ制限見直し発言からわずか2か月で素案に高さ制限の緩和が明文化されたわけであるが、御堂筋の景観は先人が築き上げてきた大阪の財産であることを踏まえた上で、慎重な判断を下すことが求められるのではないか。

※御堂筋の高さ制限の歴史的経緯や高層化の問題等について、季刊誌「土地総合研究」に寄稿しましたので、下記URLをご参照ください。

御堂筋における高さ制限の変遷(土地総合研究2012年春号) 

また、府市統合本部会議の議事録や資料が大阪市のホームページで公開されていますので、こちらもあわせてご覧ください。

大阪府市統合本部会議のホームページ

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